[日刊SPA!+]今でも「地上の楽園」?北朝鮮「チュチェ思想」を信奉する日本人たち(岩田温氏)

チュチェ思想

政治体制を支える思想というものが存在する。日頃はそれほど意識することはないが、我々の自由民主主義体制でも、そのような政治思想が存在している。

例えば、基本的人権を尊重すべきだという人権思想や、各人の基本的自由を擁護するリベラリズムがこれにあたる。国家権力が恣意的に批判者を弾圧し、投獄することは暴挙とみなされるだろうし、法律の範囲内における自由を徹底的に弾圧することも許されるべきではないと考えられている。

我々はそうした基本的人権の擁護や自由の尊重を当然とみなしているが、その背景にはやはり政治思想が存在しているのである。普段意識することはないが、冷静に分析し物事の本質に立ち返って考えてみれば、そうしたイデオロギーを容易に見出すことが可能だ。

自由民主主義社会とは対照的に、体制擁護のイデオロギーが過剰である国々も存在する。最も典型的なイデオロギー過剰国家が共産主義国だ。それらの国々では共産主義を唯一の科学的な「真理」と位置づけ、すべての行動がイデオロギーに一致していることが求められる。共産主義を否定するものは、政治体制、「真理」を否定する危険な人物と断定され、「反革命」の罪に問われ、時には強制収容所に送られる。

政治体制には、その強弱は別としても少なからずある種の政治体制を擁護する思想が存在すると仮定してみよう。そうした前提に立って観察してみると、一見意外に思える不思議な国家の行動論理というものがみえてくる。

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今でも「地上の楽園」? 北朝鮮「チュチェ思想」を信奉する日本人たち | 日刊SPA!
<文/岩田温:政治学者>政治体制を支える思想から国家の行動論理がみえる政治体制を支える思想というものが存在する。日頃はそれほど意識することはないが、我々の自由民主主義体制でも、そのような政治思想が存…
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